ヤマトシロアリ駆除を自分でする方法｜DIYとプロとの違いも解説

ヤマトシロアリの駆除は、DIYでは難しいのが現状です。

しかし、DIYで適切なシロアリ防除策を講じることで、被害を未然に防ぐ「予防」ができる可能性はあります。

この記事では、ヤマトシロアリの生態から、DIYでの予防方法、専門業者との比較まで、詳しく解説します。

ご自身でできる対策を知り、大切な家を守るための一歩を踏み出しましょう。

専門業者への依頼も視野に入れ、最適な判断をすることが大切です。

この記事でわかること

• ヤマトシロアリの生態とDIY駆除の難しさ
• DIYでできる効果的なシロアリ予防策
• 専門業者による駆除方法とDIYとの違い
• シロアリ被害の早期発見と対策の重要性

DIYでヤマトシロアリの駆除困難：予防は可能性あり！

• ヤマトシロアリの生態とDIY駆除が難しい理由
• 複数営巣性と女王アリの存在
• 殺虫剤使用のリスクと専門知識の必要性

ヤマトシロアリの駆除は、DIYでは難しいですが、予防はDIYでも可能です。

ヤマトシロアリの生態とDIY駆除が難しい理由

ヤマトシロアリは、日本全国（北海道北部を除く）に分布するシロアリの一種です。

特に湿った木材を好み、家屋に被害をもたらします。

項目	詳細
体長	4.5～7.5ミリ
特徴	頭部は黒褐色で体は黄色、羽は暗褐色
羽アリの時期	4～5月頃の昼間
その他	女王アリも移動しながら、小集団で食害を続ける

ヤマトシロアリの被害は、放置すると家の耐久性を著しく低下させるため、早期発見と対策が必要です。

しかし一度被害が発生した場合、DIYでの完全な駆除は困難です。

複数営巣性と女王アリの存在

ヤマトシロアリは、特定の巣を持たず、複数の場所に営巣する「複数営巣性」という特徴があります。

項目	詳細
複数営巣性とは？	1つのコロニー（集団）が複数の場所に巣を作り、移動しながら生活する性質
女王アリの存在	女王アリは1つのコロニーに複数存在し、それぞれが産卵するため、すべての女王アリを駆除しない限り、シロアリは増え続ける
根絶の難しさ	すべての巣を見つけ出し、すべての女王アリを駆除することは、専門業者でも非常に困難であり、DIYではほぼ不可能と言える

ヤマトシロアリの駆除が難しい主な理由は、この複数営巣性と複数の女王アリが存在することです。シロアリの女王アリの生態や寿命について、詳しくは以下の記事で解説しています。

殺虫剤使用のリスクと専門知識の必要性

DIYでの駆除で、殺虫剤を使用することは一般的ですが、実はリスクを伴います。

項目	詳細
殺虫剤のリスク	知識がないまま殺虫剤を散布すると、シロアリが警戒してさらに発見しにくい場所に移動し、被害が拡大する可能性がある
専門知識の必要性	シロアリの種類や生態、被害状況に応じた適切な薬剤の選定や処理方法には、専門知識が必要
専門業者の技術	専門業者は、専用の機材や薬剤を使用し、経験に基づいた知識で、安全かつ効果的にシロアリを駆除する

DIYでの駆除は、一時的にシロアリを減らせても、根本的な解決にはならない場合が多く、被害を拡大させてしまう可能性があります。

ヤマトシロアリの駆除は、専門業者に依頼するのが最も確実な方法です。

シロアリ予防をDIYで実現する具体的な方法

• テクニカルトランスミット社のDIY予防方法
• シロアリハンター、有効成分と設置方法
• 水性アリシス、木材への塗布手順と注意点
• 粒状ネオターマイトキラー、土壌処理の手順、範囲

シロアリ予防は、適切な知識と方法を用いれば、DIYでも十分に可能です。

特に、新築時やリフォーム時に予防措置を講じておくことで、将来的なシロアリ被害のリスクを大幅に減らすことができます。

テクニカルトランスミット・テクノ社のDIY予防方法

テクニカルトランスミット・テクノ社は、一般の方でも手軽にシロアリ予防ができるように、様々なDIY用製品と情報を提供しています。

同社のウェブサイトでは、具体的な製品の使用方法や、シロアリ予防に関する基礎知識が詳しく解説されています。

製品カテゴリ	具体的な製品例	特徴
木部処理剤	水性アリシス、白アリミケブロック	木材に塗布または散布することで、シロアリの侵入を防ぎます。
土壌処理剤	粒状ネオターマイトキラー、土壌用ジノテクト	土壌に散布することで、シロアリが地中から建物に侵入するのを防ぎます。
その他予防製品	シロアリハンターエアゾール、コロニバスター	床下換気口からスプレーしたり、巣に直接注入することで、シロアリを駆除または予防します。
床下環境改善製品	調湿剤ゼオライト	床下の湿気を調整し、シロアリが生息しにくい環境を作ります。

これらの製品を適切に組み合わせることで、効果的なシロアリ予防が可能となります。

シロアリハンターの有効成分と設置方法

シロアリハンターは、設置型のベイト剤（毒餌）で、シロアリを誘引し、巣ごと駆除することを目的とした製品です。

有効成分は、昆虫の脱皮を阻害する「ヘキサフルムロン」です。

項目	詳細
有効成分	ヘキサフルムロン（脱皮阻害剤）
効果	シロアリが脱皮できなくなり、死滅する。巣の仲間にも効果が伝播し、巣全体の駆除が期待できる。
設置方法	シロアリの活動場所や被害箇所周辺の地面に埋設する。
注意点	設置後、定期的に点検し、シロアリが食いついているか確認する。食いつきが確認された場合は、追加のベイト剤を設置する。

設置は簡単ですが、シロアリの活動場所を正確に見極めることが重要です。

水性アリシスの木材への塗布手順と注意点

水性アリシスは、木材に塗布または散布することで、シロアリの侵入や食害を防ぐ木部処理剤です。

有効成分は、シロアリに対して殺虫効果のある「シラフルオフェン」と、木材腐朽菌の繁殖を抑制する「プロピコナゾール」です。

塗布手順

1. 下地処理: 木材表面の汚れやゴミを取り除き、乾燥させる。
2. 希釈: 水性アリシスを水で所定の倍率に希釈する（通常は20倍）。
3. 塗布: ハケやローラー、噴霧器などを用いて、木材全体にムラなく塗布する。
4. 乾燥: 塗布後、十分に乾燥させる。

注意点

• 必ず保護具（手袋、マスク、ゴーグルなど）を着用する。
• 換気を良くして作業する。
• 使用前に製品ラベルをよく読み、注意事項を守る。
• 子供やペットが触れない場所に保管する。

水性アリシスは、木材の内部まで浸透し、長期間効果が持続します。

粒状ネオターマイトキラーによる土壌処理の手順、範囲

粒状ネオターマイトキラーは、土壌に散布することで、シロアリが地中から建物に侵入するのを防ぐ土壌処理剤です。

有効成分は、「ビフェントリン」で、シロアリに対して殺虫効果と忌避効果があります。

散布手順

1. 下地処理: 散布場所の雑草やゴミを取り除く。
2. 散布: 粒状ネオターマイトキラーを、床下全体や建物の基礎周りに均一に散布する。
3. 覆土: 必要に応じて、散布した薬剤の上に土を薄くかぶせる。

散布範囲

• 床下全体: 床下全体に散布することで、シロアリの侵入経路を遮断する。
• 基礎周り: 建物の基礎周りに帯状に散布することで、シロアリが基礎を伝って侵入するのを防ぐ。
• 配管周り: 配管の立ち上がり部分など、シロアリが侵入しやすい箇所に重点的に散布する。

注意点

• 必ず保護具（手袋、マスク、ゴーグルなど）を着用する。
• 風通しの良い場所で作業する。
• 使用前に製品ラベルをよく読み、注意事項を守る。
• 子供やペットが触れない場所に保管する。

粒状ネオターマイトキラーは、雨に強く、効果が長期間持続します。

これらの情報を参考に、ご自身の家の状況に合わせて適切なシロアリ予防対策を行いましょう。

シロアリ駆除における専門業者の技術とDIYの違い

• 専門業者の調査方法、機材
• 薬剤の種類、効果、安全性
• 再発防止策、保証

シロアリ駆除は、専門業者とDIYのどちらが良いか迷う方もいるかもしれません。

専門業者については高度な技術と専用の機材で徹底的に駆除しますが、DIYでは限界があります。

ここでは、専門業者の調査方法、薬剤、再発防止策について解説し、DIYとの違いを明らかにします。

専門業者の調査方法と機材

専門業者は、まずシロアリの種類や被害状況を正確に把握するため、詳細な調査を行います。

目視だけでなく、以下のような特殊な機材も使用します。

機材	用途
ファイバースコープ	壁の内部や床下など、目視できない狭い場所を調査する
シロアリ探知機	シロアリの微弱な音や振動を感知し、生息場所を特定する
木材含水計	木材の含水率を測定し、シロアリが生息しやすい環境かどうかを判断する
打診棒	壁や柱を叩いて音の変化を調べ、内部の空洞やシロアリの食害痕を発見する
赤外線サーモグラフィーカメラ	壁や床の温度変化を可視化し、シロアリの活動による温度上昇を捉える（断熱材の裏側などに潜むシロアリの発見に有効）

これらの機材を駆使することで、専門業者は被害の全容を把握し、適切な駆除プランを立てることができます。

薬剤の種類、効果、安全性

専門業者が使用する薬剤は、市販のDIY用薬剤とは成分や効果が大きく異なります。

主な薬剤の種類と特徴は以下の通りです。

薬剤の種類	特徴	効果	安全性
ネオニコチノイド系	神経毒性を持ち、シロアリの神経伝達を阻害する。少量で効果を発揮し、残効性も高い。	昆虫に対して選択的に作用するため、哺乳類への毒性は低いとされています。	土壌汚染や水質汚濁のリスクが指摘されています。
フェニルピラゾール系	神経毒性を持ち、シロアリの神経伝達を阻害する。ネオニコチノイド系と同様に、少量で効果を発揮し、残効性も高い。	即効性があり、広範囲のシロアリに効果がある。	哺乳類への毒性は低いとされていますが、魚類やミツバチへの影響が懸念されています。
合成ピレスロイド系	神経毒性を持ち、シロアリの神経伝達を阻害する。即効性があり、忌避効果も持つ。	比較的短期間で効果が現れる。	人体への毒性は低いですが、過剰な使用は健康被害のリスクを高めます。また、水生生物への影響が懸念されています。
カーバメート系	神経毒性を持ち、シロアリの神経伝達を阻害する。即効性はあるが、残効性は比較的短い。	土壌処理剤として使用されることが多い。	人体への毒性は比較的高いとされており、使用には注意が必要です。
ホウ酸	シロアリの代謝を阻害し、脱水症状を引き起こして死滅させる。	効果が現れるまでに時間がかかるが、長期的な効果が期待できる。	人体への毒性は低いですが、大量に摂取すると健康被害のリスクがあります。

専門業者は、これらの薬剤を適切に使い分け、シロアリの種類や被害状況、建物の構造に合わせて最適な駆除を行います。

また、薬剤の安全性を考慮し、人やペットへの影響を最小限に抑えるよう配慮します。

再発防止策および再発保証

シロアリ駆除は、一度の施工で完全に終わるわけではありません。

専門業者は、駆除後の再発防止策も徹底して行います。

再発防止策	内容
定期点検	施工後、数ヶ月〜1年ごとに定期的に点検を行い、シロアリの再発の兆候がないか確認する
バリア工法	建物の周囲に薬剤のバリア層を作り、シロアリの侵入を防ぐ
ベイト工法	シロアリの好む餌（ベイト剤）を設置し、巣ごと駆除する
土壌処理	床下の土壌に薬剤を散布し、シロアリが生息しにくい環境を作る
木部処理	木材に薬剤を注入または塗布し、シロアリの食害を防ぐ
環境改善	床下の換気を良くする、湿気対策を行うなど、シロアリが生息しにくい環境を作る

多くの専門業者は、施工後に保証期間を設けています。

保証期間内にシロアリが再発した場合は、無償で再施工を行うのが一般的です。

保証内容は業者によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

シロアリ駆除は、専門的な知識と技術が必要です。

DIYでの駆除は、一時的な効果しか得られない場合や、かえって被害を拡大させてしまう可能性があります。

大切な家を守るため、専門業者に相談し、適切な対策を行うことをおすすめします。

シロアリ被害は放置せず早期発見！プロの診断

• シロアリ被害のサイン、チェックリスト
• 専門業者選び、相談のポイント
• 駆除後の注意点、再発を防ぐ

シロアリ被害は、早期発見と適切な対応が非常に大切です。

放置すると家の耐久性が著しく低下し、最悪の場合、倒壊の危険性も生じます。

シロアリ被害のサイン、チェックリスト

シロアリ被害の初期症状は、なかなか気づきにくいものです。

しかし、以下のチェックリストを参考に、定期的にご自宅を点検することで、早期発見につながります。

チェックポイント	詳細	評価
壁や柱	叩くと空洞音がする、変色やシミがある、蟻道(土のトンネル)がある
床	ギシギシ音がする、ふわふわする、沈む感じがする
畳	表面が変色している、ぶよぶよする
木製の家具や建具	穴が開いている、粉が落ちている、内部が空洞になっている
庭や家の周り	羽アリが大量に発生している、木材に穴が開いている、蟻道がある

特に、水回り（浴室、洗面所、トイレ、キッチンなど）周辺は、湿度が高くシロアリが好む環境のため、注意が必要です。

もし1つでも該当する項目があれば、専門業者に相談することを強くおすすめします。

専門業者選び、相談のポイント

シロアリ駆除業者は数多く存在し、どこに依頼すれば良いか迷う方もいらっしゃると思います。

信頼できる業者選びのポイントをいくつかご紹介します。

ポイント	詳細
実績と経験	創業年数や施工実績を確認し、経験豊富な業者を選びましょう。
資格と技術力	シロアリ防除施工士などの資格を持つ技術者が在籍しているか確認しましょう。
料金体系	事前に見積もりを取り、料金体系が明確で、追加料金が発生しないか確認しましょう。
保証内容	駆除後の保証期間や内容を確認し、再発時の対応についても確認しましょう。
対応の丁寧さ	電話や訪問時の対応が丁寧で、質問にしっかりと答えてくれる業者を選びましょう。
口コミや評判	インターネット上の口コミや評判を参考に、実際に利用した人の意見を聞いてみましょう。ただし、口コミはあくまで参考程度に。

複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが大切です。

駆除後の注意点、再発を防ぐ

シロアリ駆除が完了したからといって、安心はできません。

再発を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。

注意点	詳細
定期的な点検	専門業者による定期的な点検（1年に1回程度）を受け、早期発見に努めましょう。
湿気対策	床下の換気を良くし、湿気を溜めないようにしましょう。除湿剤の設置や、換気扇の増設も有効です。
木材の管理	庭や家の周りに木材や段ボールなどを放置しないようにしましょう。
家の周りの清掃	落ち葉や枯れ枝などをこまめに掃除し、シロアリのエサとなるものを除去しましょう。
侵入経路の遮断	基礎のひび割れや隙間を補修し、シロアリの侵入経路を塞ぎましょう。
予防薬剤の散布 (任意)	専門業者に相談し、必要に応じて予防薬剤を散布してもらいましょう。

シロアリ被害は、早期発見と適切な対策が重要です。

定期的な点検と、日頃からの心がけで、大切な家を守りましょう。

よくある質問（FAQ）

まとめ

ヤマトシロアリの駆除はDIYでは難しく、予防はDIYでも可能です。

この記事では、ヤマトシロアリの生態、DIYでの予防方法、専門業者との比較などを解説しました。

• ヤマトシロアリは複数営巣性で、全ての巣を根絶するのは非常に困難
• 殺虫剤の誤った使用は、被害を拡大させる可能性がある
• DIYで予防する場合は、テクニカルトランスミット社の製品などが使用できる
• 専門業者は、特殊機材や薬剤を使用し、再発防止策や保証も提供する

シロアリ被害の放置はリスクが大きいため、早期発見と適切な対応が重要です。

ご自身での対処が難しい場合は、専門業者への相談をご検討ください。